『あな誰』の出発点と全体像

──診断責任のゆらぎから見えてきたもの


🌱 制度を見つめ直すために、この問いから始まりました。

 

日本の医療制度では、診断という行為の責任主体が曖昧になることがあります。
特に、診断支援やチーム医療の現場では、

 

「誰が”本当”に診断を下したのか」

 

が、制度上・文化上の構造によって見えづらくなっています。

『あなたは誰に診断されていたのか?』プロジェクトは、
こうした診断責任の不明瞭さに焦点を当て、社会の中で“問い直し”を進める活動です。

 

このページでは、プロジェクト全体の構造と今後の方向性をご紹介します。

 

 

 


今、見つめなおしたいこと

いま、「誰が診断に本当の責任を持つのか?」という問いは、

かつてないほど重要になっています。

 

近年では、AIによる診断補助や、遺伝子パネル検査などが急速に進展しています。
こうした技術の進歩により、がんなどの病気の診断名を「本当は誰が決めたのか」が、

以前にも増して見えにくくなりつつあります。

私たちは、そうした“誰が決めているか見えない時代”の入り口に立っています。

 

しかし、その未来に目を向ける前に、
まずはこれまでの制度上の問題を、しっかりと見直さなければなりません。

 

たとえば、現代医療では、治療方針に直結する重大な病名の決定に、
顕微鏡を使った病理診断が行われています。
病理診断は、日本の医学における19の基本専門領域の1つとして位置づけられ、

非常に重要な領域です。

 

ところがその病理診断の現場で、
本来は医師が責任をもって決めるべき病名を、

制度上の立場がない非医師が実質的に決定している——
そんな構造的な盲点があるのです。

 

 

私たちは、この問題を丁寧に掘り下げ、1冊の本としてまとめました。

📘 書籍の内容はこちらからご確認いただけます。

 👉詳細はこちら 

 


めざしているのは、こんな未来です

このプロジェクトでは、

診断ということばの奥にあるしくみを見つめ直しています。

 

制度や専門職、そして私たち市民社会――

その交わる場所で起きている、

「診断のゆらぎ」と「責任のあいまいさ」を問い直す試みです。

 

わたしたちが目指しているのは、

「誰が本当に診断を下したのか?」という問いに、

患者さん自身が納得できる透明性を確保すること。

 

その一歩として、

患者さんの目線から見える“地図”という形で見えるようにしました。

あなたや、あなたの大切な人が病名を告げられた時、使ってもらえたらうれしいなと思います。 

👉 地図をみる


誰がやっているの?

 このプロジェクトには、
語り手のすみかと、企画・執筆を担うたくま、ふたりの視点があります。

 

👉 語り手:花渕すみかの紹介はこちら

 

👉企画監修:花渕拓真の紹介はこちら

 

 プロジェクト全体の疑問点はこちらからご確認ください。

👉プロジェクトのQ and Aはこちら


🧬🤖このプロジェクトは、次のテーマにも進み始めています🤖🧬

  

がん診断が形態学から分子解析やAIへ移行する未来に焦点を当て、


診断の主体とは誰か?

という問いをより広い視野から掘り下げていく予定です。

 

👉AIと診断責任について知りたい!

 


詳しい議論が知りたい方へ

「誰が診断していたのか?」という問いを突き詰めていくと、制度論や法律論など、社会医学的なテーマに踏み込むことになります。
書籍では詳しく掘り下げていますが、ホームページでも、核となるキーワードをいくつか紹介しています。 

👉プロジェクトの核となるキーワードが知りたい

 

専門用語に慣れていない方のために、ホームページ内で、
社会医学的なキーワードの解説も掲載しています。必要に応じてご参照ください。

 

👉用語解説をみてみたい(※書籍コーナーの一部です)